| 【最近のわが国の統計に基づく推定】 |
・男性因子……………約25%
・女性因子……………約74%
排卵障害……………約15%
卵管障害……………約30%〜44%
子宮因子……………約10%〜15%
頚管因子……………約10% |
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上の統計から見てもわかるように、不妊症の原因は妻側だけにあるのではなく夫と妻の組合せ、いいかえれば夫婦を1つの単位として考えていかねばなりません。"妊娠のメカニズム"でも説明したようにこれだけ複雑なことが、すべてうまくいってこそ妊娠するのですから、妊娠するのは一つの奇跡です。逆に1カ所でもうまくいかないとだめなのです。
大きく分けて (1)タイミングが合わない (2)どこかが悪いが原因となります。
(1)について これには、社会的な要因も関係しています。卵のでてくるのは、1カ月にたった1回です。その大事な時に精子が入るチャンスを失うことは、不妊症の原因となります。また、そのチャンスがいつなのかを正確に知ることが出来ないことも不妊の原因となります。
たとえ良い時期に性交をもつことができても、女性でも男性でも睡眠不足や過労の状態では妊娠しにくくなります。更に、チャンス以外の時期で性交をもちすぎていて、せっかくの精液が薄くなるということもあります。
これらがタイミングが合わないということです。 これらは、ちょっとした工夫で解決します。
また、卵のでる時期については、この2〜3年の進歩により「何日の何時頃」とまで予測出来るようになっています。
(2)について これは、検査によってわかります。当院では、最新の検査機器と検査テクニックで全検査可能ですが、実際にはこれらすべての検査を行うことは時間的にも不可能に近く、不必要なものもあり、不妊症の原因を検査により憎悪させることもあります。不妊症の検査は、必要に応じて検査項目を追加して行うべきであり、慎重に時期を選び順序正しく検査することが、望ましいと思います。 |
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| (1)男性側の原因 |
| 高熱を伴う伝染病やオタフクカゼ等のウイルス性疾患、放射線や化学薬品のために精子をつくる能力が減ることがあります。 |
【精液一般検査】
精液の量や精子の数はどの位か、よく動くか、奇形の精子は多いか等をみます。正常でも少しは奇形精子が含まれます。精液の状態は体調等によって変わりやすいので、この検査は何度か繰り返して行います。
正常値:精液量3〜4ml 精子数1・当たり80×10以上
運動率80%以上
奇形率20%以下 運動性A
※精液検査の注意 男性にとっては、少し抵抗があると思いますが、不妊症治療の第一歩ですから必ず受けましょう。 精液を採る前に2〜3日以上禁欲します。 容器を渡しますので、家で採取し2時間以内に持参して下さい。 その際、保温に気を付け、冷やさないようにして下さい。 |
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| (2)女性側の原因 |
| ●排卵に原因がある |
【ホルモン異常】
脳、下垂体、卵巣のどこに問題があっても排卵は起こりません。これらをチェックするため、1度は身体中のホルモンを調べる必要があります。
【超音波検査について】
お腹の上から見る腹式超音波と、膣の中から見る膣式超音波があります。全体の様子をみるには腹式が適していますが、卵胞は膣式の方がずっとよくみえます。
これにより、『卵胞は右にあるのか、左にあるのか、大きさはどの位か、いくつあるのか』『子宮の内膜は赤ちやんを受け入れる準備をしているか』等が手にとるようにわかります。子宮の内膜をみる時は、月経初日、翌日又は予定月経の2〜3日前に検査をし、これにより卵巣機能や結核等の炎症の有無などもわかります。
【基礎体温測定について】
主な役目として
1.体調を知る
2.その周期の卵巣の調子をみる
3.排卵日の見当をつける、
などがあります。 何でも表に書き込む癖をつけましょう。性交(排卵の時間とのずれを調べるため性交の時間も書きます。)出血などはもちろんのこと、風邪をひいた等も書き込みます。1日位抜けてもやめないで下さい。もともとおおよその事を知るのが目的ですから、忘れても諦めずに必ずつけましよう。 |
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【排卵の予知について】
1.代表的な方法として、基礎体温表を利用します。体温の最下点、または、その前後が排卵日と言われています。
2.次に子宮の入口から粘液(頚管粘液)を取って量や伸び具合から排卵の近いことを判断する方法があります。排卵が近くなると粘液が多くネバネバになります。これにより卵巣機能、頚管腺の分泌異常もわかります。
3.超音波検査(特に膣式)で卵胞の大きくなる様子を観察します。卵胞は1日に1〜2・のスピードで大きくなり、直径23〜25・になると排卵します。 従って、この大きさになれば1〜2日で排卵するという予測ができます。 以上の方法を組み合わせて、性交や人工受精を行います。 |
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| ●卵管が悪い |
脳下垂体、卵巣が健全で卵胞が膨らみ卵が無事卵巣から飛び出したとしても、卵が確実に卵管の端の卵管采に吸い込まれなければなりません。ところが、卵管の入口が癒着等により、ふさがっていたり、卵巣と卵管が互いに離れていたりすると、卵は卵管に入らずにお腹の中へと出てしまいます。
もし、幸運にも卵が卵管の中に入る事ができても、細い卵管の中がどこか詰まっていたら、精子は卵子の所へ行ぐことができず、卵子もまた精子と会うことができません。これらの状態を調べるのに次の方法があります。
【子宮卵管造影】
子宮の口からレントゲンで映る薬を入れて、それが子宮から卵管へと流れていく様子を見る方法です。卵管が詰まっているかどうかを知るのが目的ですが、子宮の奇形や癒着などもわかります。
【腹腔銃検査】
通常、外部から見る事が出来ない卵巣、卵管、骨盤内、膣等に不妊の原因が疑われる場合に行うのが腹腔鏡検査です。軽い麻酔下で、おへその下の部分に1・程の穴を開け、そこから精密な腹腔鏡を入れて観察します。
また、軽い癒着ならはがす事もできます。清潔下で行う為、3〜4日間の入院が必要ですが、傷痕はほとんど残らず、他に傷をつけることもありません。
検査後、検査の内容をカラービデオ、カラ一写真にて収録しますので、本人及び家族の方へのくわしい説明も行います。
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| ●子宮が悪い |
卵巣も卵管も正常で精子と出会った卵子が無事に卵管を通って、子宮にたどりついたとします。本来ならそこには、適度に分厚い子宮内膜が用意されているはずなのですが、子宮奇形や子宮筋腫等や、卵巣の働きが悪い方などは、卵が内膜にくっつきもぐり込む事ができず、本人の知らない内に流産してしまうことがあるのです。これは、超音波検査、子宮卵管造影や子宮鏡などでわかります。
【子宮鏡検査】
主として子宮内に不妊の原因(子宮奇形や癒着)が疑われる場合に行うのが子宮鏡検査で、これはほとんど内診と変わらず、膣部より子宮内に子宮鏡を入れて観察するもので、通常入院の必要はありませんし大きな苦痛もありません。 |
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| ●相性が悪い |
妊娠は、別々の個体が合体して1つの個体をつくる不思議な現象です。では一方が他方を受け付けないとどうなるでしよう。妊娠を妨害する事となります。 これは、体をまもる『免疫』という働きによっておこります。つまり夫婦が合わず妊娠ができないのです。(但しこれは『免疫的』に合わないのであって夫婦の相性の事ではありません。)
【ヒューナーテスト】
性交後検査とも言います。予定排卵日前2〜3日間禁欲して排卵日に性交し6時間以内に来院してもらいます。子宮の中、頚管、膣の中を調べどこまで精子が泳ぎ入ったか、その精子は元気かを調べます。相性の悪い夫婦の場合、精子は奥まで入る事ができなかったり、入っても動かなくなってしまいます。
【抗精子抗体】
女性が、精子の動きを止める働きをする抗体をつくってしまうことがあります。これは血液検査でわかります。
【習慣性流産に関する諸検査】
自然妊娠の場合でも、着床した受精卵の3割以上が早期流産の形で流れてしまうと言われています。そこで着床不全〜早期流産の原因を調べるのに以下の様な検査があります
染色体検査(夫婦)抗核抗体・抗DNA抗体HLAタイピング(夫婦)抗リン脂質抗体・習慣性流産
3回以上続けて流産(妊娠後28週間まで)や早産(38週間まで)を繰り返すことを習慣性流早産といい、「妊娠しても途中でおりてしまう癖がある」といえます。
1回の流産は珍しくなく、次に妊娠して生児を得る率は約70%位ありますが、2回連続では40%、3回連続では22%と言われ、生児を期待する率はだんだんさがってしまいます。
妊娠したら、極力流産を避けなければなりませんが、妊娠2〜3ヵ月の初期のものが64%、5〜7ヵ月の早産が38%、9ヵ月の早産が10%となっています。
1)妊娠初期の流早産 妊娠2〜3ヵ月で流産を繰り返す人は、黄体ホルモンの分泌が足りない、あるいは子宮後屈症が原因である可能性があります。その他いろいろ原因がありますが、中でも受精卵にもともと異常がある場合、あるいは妊娠の途中で胎児や胎盤に異常があったり、それ以上正しい発育や働きを果たしえないようなものは、当然のこととして流産に終わります。
染色体の異常が主要な原因と考えられ、現在の所、治療の方法はありません。この分野のメカニズムの探索は、今後の医学の発展を待ちたいと思います。
次に、妊娠中期以後に、あまり自覚症もない内に羊膜が破れて流産してしまうことが、頚管不全症の特徴です。これは頚管がゆるんでいて大きくなった胎児が羊膜の1部を頚管の方へ押し出し、やがて破れてしまうものです。
これは先天的に頚管の締まりのない人もいますが、大部分は頚管に加えられた外力や外傷か原因です。人工妊娠中絶、その他の治療の目的で急に頚管を拡張したり、何回も拡張したことで傷ができて締まりが悪くなったものです。最近、人工妊娠中絶を行った人に頚管不全症による流早産が多くなってきています。
この対策は、ゆるんでいる頚管を手術により、子宮の内容が出ないようにします。手術は締まりのない頚管を縫合するラッシュ法と、妊娠している時は頚管を糸で輪状に縛って、より正常の子宮頚管に近づけるシロッカー氏(頚管縫縮手術)があります。
2)血液型の不適合による流早産 胎児とのABO不適合、RH不適合は習慣性流産をひきおこします。新生児は、溶血性黄疸となり死亡することがあります。
3)療法と注意 黄体ホルモン、卵胞ホルモン、甲状腺剤、ビタミン等の薬物療法、また位置を直したり、頚管縫縮術、補修手術等の手術など、方法はその原因により異なります。妊娠しない場合と比べ、習慣性流産の治療は成功率が高いとされています。
注意する事は、まず第1に心身の安静です。また流産するのではないかと心配する事は逆に非常に悪いのです。心を安らかに保つ事、体を休める事は大切です。
また、習慣性流産の場合、子供が欲しければ、妊娠中の性交はしないくらいの覚悟は欲しいものです。1番確実な方法は、入院管理を受ける事です。 |
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